11日の朝、妻が前庭で草花の手入れをしていたら、背中に何かが止まったらしい。玄関に入って私を呼び、背中を見てほしいと言う。白地に青のきれいなセキセイインコだった。強風に煽られて、どこかから飛んできたようだ。人に慣れているのだろう、逃げない。とりあえず金網のカゴに蓋をのせて、身柄を確保。水入れを置き、ハコベを摘んできてやると、空腹だったのか、盛んに食べている。妻がどうしましょうかと訊くので、飼い主が分かるまで預かるしかないだろうと答えた。妻がさっそくペットフード店に行って小鳥の餌を買ってきて、与えるとよく食べる。これで応急処置は一段落。
次の手として、犬を散歩させがてら電信柱に迷子探しのビラがないか見て回ったが、なかった。
どうやらメスらしいので仮に「ピーちゃん」と呼ぶことにする。ありきたりだという意見もあったが、妥協してもらった。我が家の愛犬、「猶ちゃん」は突然舞い込んだ小鳥に大興奮。金網に鼻を押し付けたり、なめたりするが、インコはカゴの中で動じない、落ち着いている。飼い主の家にも犬がいるのではないか、などと話した。私が手乗りのインコならカゴに入れっぱなしで遊んでやらないのはかわいそうだと言い、妻がカゴを開けて手を出すと乗ってきた。きょうは私たちもインコにかかりっきりだ。
夜になって娘が帰宅したので、きょうの出来事を話すと、インターネットにインコの飼い主探しの投稿をした。12日になって二件の問い合わせがあり、娘はインコの写真を送ってくれるように依頼すると、送ってくれた家のインコに間違いないようだった。我が家から歩いて5分の、近くの方だった。13日10時に引き取りに来てくれるように伝えた。
10日の朝、室外に出したカゴから逃げ出したそうだ。本名は「チイちゃん」だった。ピーちゃんとは丸二日間だけの仲で終わった。猶ちゃんは残った匂いを嗅いて捜し回っている。もう居ないんだよと教えながら、私たちもとても寂しく感じている。
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