モミなどの常緑樹の小枝や植物のつるで輪っかを作り、木の実などで飾り付けたものを玄関のドアに掛けてあるのをリース wreath といい、これを横にして等間隔に4本(または中央もう1本)のローソクを立てた王冠のようなリースを天井など見やすい場所に赤いリボンでつるしたり、テーブルの上に置いたりするのをアドベント・クランツ Kranz というように使い分けると思っていましたが、英語ではこのクランツのこともリースと呼んでいますね。
アドベント・クランツの起源について、インターネットマガジンBN789に詳しい説明があります。(リンク切れ)要約して紹介します。
ハンブルクのルター派牧師、社会事業家ヨハン・ヴィーヒェルン Johann Wichern が1833年に児童擁護施設「ラウエス・ハウス」で始めたものだそうです。当時のアドヴェンツ・クランツは、ローソクが24本も立てられ、天井から下がる大きな照明器具のようなもので、子どもたちが救い主の誕生を分かりやすく受け止められる道具として発案したのだそうです。毎日1本づつロウソクの灯は増えていきます。
ヴィーヒェルは後にベルリンに出て社会福祉施設を創設、その時、初めてもみの木を巻いたクランツを作りました。彼は完成したアドヴェンツ・クランツをすぐに付近の家庭へ見せたのではないかといわれています。アドヴェンツ・クランツはベルリンの一般家庭に広がっていき、24本のローソクがいつしか4本となり、今の大きさになっていきました。そしてアドヴェンツ・クランツはベルリンの街から南の地方へと伝えられ、1925年にはケルンのカトリック教会で初めて飾られ、1930年からミュンヘンでも習慣となっていきました。こうしてヨーロッパ各地へ、そして海を越えて世界中に広がっていったということです。
アメリカの教会では、四本のローソクに名前をつけて、日曜学校の子どもたちに親しませているところもあるようです。例えば、預言者 Prophet、天使 Angel、ベツレヘム Bethlehem、羊飼い Shepherd とか、愛 Love、喜び Joy、平和 Peace、希望 Hope というように。
これらをバナーで表してもいるそうです。そしてその日の数のローソクに点火した後、イザヤ書40章1-5を読むという牧師もいます。
娘の話では、四つの福音書記者の名をつけている教会もあるそうです。
その他、受胎告知が読まれる第三主日のローソクはピンクまたはローズにするという教会もあります。他のローソクは青というのが多いようです。これは待降節の新しい典礼色ですね。
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