復活祭の神学的名前はパスカである。これはヘブライ語のPesach(過越祭)に由来するギリシャ語である。イースターは古英語で北方で春に祝われた女神Eastreに由来する。イースターは今後とも英語圏の世俗社会で復活祭を指す言葉として用いられるとしても、キリスト者はより神学的な用語であるパスカを用いるのがふさわしいと思われる。とくに救いの神秘の祝いを指すときには。
ニケア Nicaea 公会議(紀元325年)において、イースターは春分のつぎの満月のつぎの日曜日(その日が満月ならその次の日曜日)に祝うことが決定され、現在までそのことが守られている。ゆえに、イースターの日は固定されていないが、早くて3月22日、遅くて4月25日の間に収まる。
また、この公会議で、復活祭の計算起点となる春分の日は3月21日と固定された。したがって、ここで言う春分や満月は、現在の天体暦でいう春分の日、満月とは異なり、日本の祝日の春分の日とも一致しない。これは特定の地域での日時にとらわれず、世界中で同じ日付が祝日となるようにするためと考えられる。
復活祭を、曜日と関係なく、過越祭に、つまりニサンの14日(十四日派、Quatrodecimans)に祝うべきだと考える者があったが、ニケア公会議は、復活祭を春分後の最初の満月の後の日曜日と決めた。西ローマ帝国外(コンスタンチノープル、アンチオケア、アレクサンドリア、エルサレム司教)の理解するところ、ニケア公会議はこの定義にともなって、(1)過越祭(ニサン14日)と復活祭の日付が異ならなければならないと決めただけでなく、(2)過越祭の前になってはならないと決めた(前になったら、後にずらす)。しかしローマ司教は、(2)を決めたことを覚えていなかった。これが西方の復活祭がしばしば過越祭の前になる理由である(春分の日取りの問題は主要な問題ではない)。
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