聖望学園、夏の甲子園に出場決定!
埼玉県飯能市にある聖望学園は、わたしたちの教団傘下のミッション・スクールですが、きのうの埼玉県決勝戦に勝って、第85回全国高等学校野球選手権大会・埼玉県代表校になりました。4年ぶり2回目出場の出場です。おめでとうございます。
若い頃、10年間飯能教会の牧師をしながら、聖書科の授業や礼拝で関わったこともあり、とてもうれしいです。
甲子園でも、ぜひ勝って校歌を高らかに歌って欲しい。聖望学園、がんばれ! この校歌は讃美歌の雰囲気があって、わたしは大好きです。歌詞を書かれた元校長の故沢田英彦先生には、信仰者としての面から、教育者としての面から、いろいろ教わりました。
スポーツ大会でよく引用される言葉に、いつもオリンピックの開会式の間に、スコアボードに表示されるオリンピック信条(The Olympic Creed)があります。
「オリンピックで重要なことは勝つことではなく参加することである。人生で重要なことは勝利ではなく努力することである。勝ち取ったという結果ではなく、よく戦ったということが大切なのだ。この考え方を広げてゆけば、もっと強くもっと勇敢な、そして何よりもより節操のある度量の大きな人間が育ってゆくだろう」。
これは、第10回ロサンゼルス大会から掲示されるようになったそうですが、近代オリンピックの創立者でフランス人貴族のピエール・ド・クーベルタン男爵(Baron Pierre de Coubertin、1863年1月1日-1937年9月2日)の言葉として伝えられています。彼がこれを最初に語ったのは、1908年7月24日(金)に大英帝国政府の主催で開かれたブラフトン・ギャラリーにおける宴会の席上でした。7月13日~25日にロンドンで開かれてい第四回オリンピックの間のことで、これには国際オリンピック委員会のメンバーや外交官らが招かれていました。
この第四回オリンピックというのは、陸上四百メートル決勝で、先頭の米国選手がゴールに迫ったところで、英国の審判員が突然「反則だ」と叫んだその途端にゴールのテープが引きちぎられた。二日後の再競技を米国は拒んだとか、マラソン競技で1位のイタリア選手がゴール前の競技場でフラフラになって走っており、2位のアメリカ選手が追い上げてくると審判員がイタリア選手を抱えてゴールさせてしまったとか、ほかにも審判の判定をめぐって混乱が続いたことで有名です。当時、ビクトリア朝の栄華の余韻の中にあった大英帝国は、オリンピックを初めて国別対抗形式にしました。選手は国の代表として参加、競技場には参加各国の旗が掲げられた。規模は小さかったが国旗を背に外国選手と戦う自国選手に、人々はたちまち熱狂した。民族、人種、国家を超えて友情を育む平和の祭典というビジョンを抱くクーベルタンは、こうした状況に対して警告を発したのでした。
ところで、オリンピックと平行してランベス宮殿では、7月6日~8月6日に第五回の聖公会主教会議(いわゆるランベス会議)が開かれていました。アメリカの聖公会からの出席者の一人に中央ペンシルバニア教区の主教エセルバート・タルボット(Monsignor Ethelbert Talbot)がいました。彼は母国のアメリカ人が抗争の渦中にあることを心配していました。7月19日(日)にセント・ポール・カテドラルで礼拝を司る機会に、各国の選手と役員たちを招き、フィリピ3章12-16のパウロの言葉を引きながら、「オリンピックで重要なことは勝つことではなく参加することである」と説きました。クーベルタンはこの話に感動して、5日後の晩餐会で引用したことで、歴史に残る言葉になったのです。タルボット主教の説教にもかかわらず、その後に四百メートルとマラソンの事件は起こったのでした。
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