エリザベス・キューブラー・ロスの自伝『人生は廻る輪のように』を読んで、私は彼女がなぜカルト集団にひっかかったのかという疑問が残りました。この疑問に触れた文章がないかインターネットで探して、見つかったのが平山先生の上掲の論文です。
この論文で、平山先生は彼女の自伝を手掛かりとして彼女のライフヒストリーをたどり、彼女の「死に至る五段階説」の記述の中に彼女の人格的特性が表れていることを指摘しています。
また、彼女は親の希望に応えてキリスト教の堅信式は受けたものの、キリスト教に対して生涯、あまり良い関係をもてませんでした。
わたしの関心で言えば、彼女はシカゴのルター派の神学校から講師の依頼を受けますが断ろうとします。懇請されて引き受け、良い貢献をしてくれるのですが、多忙を理由に短期で辞めています。彼女はチューリッヒ生まれのドイツ系スイス人ですが、もしかしたらルター派の信徒だったかもしれません。
彼女が死後の霊との交信にのめり込んだ要因として、このキリスト教との関係の浅さがあった、と平山先生は示唆しているようです。
自伝を読んだ後にちょうどこの論文に出会って、私自身がキリスト教的霊性の涵養を必要としていることに改めて気づかされました。
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